バレエ作品紹介 21
ラ・シルフィード
当時はまだ珍しかったポワント(トゥで立って踊る技法)を駆使したことで知られるマリー・タリオーニの名を一躍知らしめ、バレエ史上に残すことになった作品。
タリオーニ版 振付 フィリッポ・タリオーニ
音楽 ジャン・マドレーヌ・シュナイツホーファー
原作 シャルル・ノディエ
衣装 エウゲニ・ラミ
装置 ピエール・チチェリ
初演 テアトル・ド・ラカデミー・ロワイヤル・ドゥ・ムジク
1832年3月12日
ブルノンヴィル版 振付 オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽 ヘルマン・ロヴェンショルド
原作 ジャルル・ノディエ
初演 デンマーク王立バレエ団
コペンハーゲン王立劇場 1836年11月28日
ヴィクトル・ゾフスキー版 振付 ヴィクトル・ゾフスキー
初演 バレエ・デ・シャンゼリゼ 1946年
ピエール・ラコット版 振付 ピエール・ラコット
初演 1972年
北欧の伝説をもとに書かれたシャルル・ノディエの原作をアドルフ・ヌリが脚色した全二幕のバレエ。風の精のような軽やかさや優美さは世俗と霊界、肉体と精神を対比させて幻想的な世界を描き出すというその後のロマンティックバレエの図式の典型を定着させた。タリオーニの振付は継承されず、現在まで保存されてよく踊られているのはブルノンヴィル版。ブルノンヴィルが手塩にかけて育てたルシル・グラーンの当たり役となった。
〜内容〜
スコットランドの農家。結婚式の前日にジェイムズはまどろみのなかでシルフィードの姿を見る。その姿は近づこうとするとすうっと消えてしまったがジェイムズの心を奪う。翌日、花嫁のエフィがジェイムズの母親に伴われ入ってくる。友人たちも祝いにやってくる。親友のグルンはエフィを愛していてまだ諦められずにいる。ジェイムはシルフィードを思いエフィへの対応も上の空。式が始まるとシルフィードが現れ指輪を奪う。がその姿は彼にしか見えない。シルフィードを追って出ていってしまうジェイムズ。魔法使いの言葉に乗せられシルフィードが二度と翔べなくなるという魔法のスカーフを渡すとシルフィードが肩にかけた途端精気を失い息絶える。そしてはるかかなたからはエフィとグルンの結婚を祝うバグパイプが聞こえてくる。