最終更新日:2000/8/9

仮想書庫資料

仮想書庫資料 File No. 01
漫画読みのためのバレエ作品紹介(No.21-23)

バレエ作品紹介 21
ラ・シルフィード

当時はまだ珍しかったポワント(トゥで立って踊る技法)を駆使したことで知られるマリー・タリオーニの名を一躍知らしめ、バレエ史上に残すことになった作品。

タリオーニ版        振付 フィリッポ・タリオーニ
              音楽 ジャン・マドレーヌ・シュナイツホーファー
              原作 シャルル・ノディエ
              衣装 エウゲニ・ラミ
              装置 ピエール・チチェリ
              初演 テアトル・ド・ラカデミー・ロワイヤル・ドゥ・ムジク
                 1832年3月12日

ブルノンヴィル版      振付 オーギュスト・ブルノンヴィル
              音楽 ヘルマン・ロヴェンショルド  
              原作 ジャルル・ノディエ
              初演 デンマーク王立バレエ団
                 コペンハーゲン王立劇場 1836年11月28日

ヴィクトル・ゾフスキー版  振付 ヴィクトル・ゾフスキー
              初演 バレエ・デ・シャンゼリゼ 1946年

ピエール・ラコット版    振付 ピエール・ラコット
              初演 1972年

北欧の伝説をもとに書かれたシャルル・ノディエの原作をアドルフ・ヌリが脚色した全二幕のバレエ。風の精のような軽やかさや優美さは世俗と霊界、肉体と精神を対比させて幻想的な世界を描き出すというその後のロマンティックバレエの図式の典型を定着させた。タリオーニの振付は継承されず、現在まで保存されてよく踊られているのはブルノンヴィル版。ブルノンヴィルが手塩にかけて育てたルシル・グラーンの当たり役となった。

〜内容〜
スコットランドの農家。結婚式の前日にジェイムズはまどろみのなかでシルフィードの姿を見る。その姿は近づこうとするとすうっと消えてしまったがジェイムズの心を奪う。翌日、花嫁のエフィがジェイムズの母親に伴われ入ってくる。友人たちも祝いにやってくる。親友のグルンはエフィを愛していてまだ諦められずにいる。ジェイムはシルフィードを思いエフィへの対応も上の空。式が始まるとシルフィードが現れ指輪を奪う。がその姿は彼にしか見えない。シルフィードを追って出ていってしまうジェイムズ。魔法使いの言葉に乗せられシルフィードが二度と翔べなくなるという魔法のスカーフを渡すとシルフィードが肩にかけた途端精気を失い息絶える。そしてはるかかなたからはエフィとグルンの結婚を祝うバグパイプが聞こえてくる。 

 

バレエ作品紹介 22
フラワー・フェスティバル
(ゼンツァーノの花祭り)

19世紀初頭のゼンツァーノ。主人公は狙撃兵のパオロと恋人ローザ。二人の愛の試練に一人の盗賊が重要な役割を果たす。盗賊が引き起こす様々な試練を乗り越えて二人が結ばれるという一幕モノ。

振付・台本 オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽    エドヴァルト・ヘルステッド、H・S・パウリ
衣装・装置 C・H・クリステンセン、T・ルンド
初演    デンマーク王立バレエ団
      コペンハーゲン王立劇場 1858年12月19日

当時のロマンティックバレエが王侯貴族や神話、伝説上の人物を主人公にしていた中で庶民を主人公にして民衆の生活や感情を描き出した点でバレエ史上重要な位置を占めるブルノンヴィルの作品。10年越しに暖めていた物語の内容はバレエよりオペラが適しているということになり、バレエ用には物語を手直しして作成された。
上演されたのは1929年が最後で現在ではその中のパ・ド・ドゥだけが残され各地で踊られている。

 

 

バレエ作品紹介 23
ライモンダ

グラズノーフのバレエ音楽デビュー作品であり、19世紀最大の振付家プティパの最後の作品。現在ボリショイで踊られているのはグリコローヴィチ版。

プティパ版           振付 マリウス・プティパ
                音楽 アレクサンドル・グラズノーフ
                衣装・装置 アレグリー・イワノフ、ラムビニー
                初演 ロシア帝室バレエ団
                   マリインスキー劇場 1898年1月17日

ゴールスキー版         振付 アレクサンドル・ゴールスキー
                初演 ロシア帝室バレエ団 1908年

ラブロフスキー版        振付 レオニード・ラブロフスキー
                初演 ボリショイ・バレエ団 1945年

コンスタンチン・セルゲイエフ版 振付 コンスタンチン・セルゲイエフ版
                初演 キーロフ・バレエ団 1948年
              
グリコローヴィチ版       振付 ユーリー・グリゴローヴィチ
                初演 ボリショイ・バレエ団 1984年

〜内容〜
中世フランスの伯爵夫人の姪ライモンダは騎士ジャン・ド・ブリエンと婚約している。彼はハンガリー王アンドレ二世に率いられて出征するために別れを告げに来る。伯爵夫人の豪華なパーティ。サラセンの騎士アブダ・ラーマンがライモンダに求婚し、富と権力を約束するがライモンダの気持は変わらない。拒絶されたアブダは更に彼女を誘惑しようとするが、そこへジャンが戻ってきて従者共々争いになるがアドンレ二世に決闘で決着するように言われる。決闘に勝ったジャンとライモンダの華やかな結婚式。

 

 

 ★【バレエ紹介に関することわりがき】に参考文献等を載せています。


文責:天野章生 作成日:2000/8/9 最終更新:2000/8/9

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