最終更新:2004/4/29(初出→単行本というように左右入れ替え及び整理)
 

File No. 3-1 研究テーマ
ペンは走り、コマは割られた!
萩尾ジェットコースター版“メリーベルと銀のばら”
〜「メリーベルと銀のばら」加筆検証を通して萩尾・画面構成の魅力に迫る〜

「メリーベルと銀のばら」加筆部分を探る
―第1話―

左を雑誌発表時の数えのページ、右を単行本収録時のページで記載した。
単行本テキストは【フラワーコミックス】とする。
コマ割りをトレスして、単行本の再構成及び加筆部分を示す助けとした。
単行本を片手にご覧いただいて、雑誌初出時の濃密なイメージを想起されたい。


第1話/初出原稿
別冊少女コミック1973年1月号
453-483P/全31P
  第1話/単行本原稿
小学館フラワーコミックス『ポーの一族』2巻
1974.7.1発行/初版(全158P)
第1話は初出より12P分増補、計43P
雑誌/1P     FC/5P  
■導入の霧のシーン。

→FC/5〜7P
雑誌発表1ページをパートAとBに分け、シーン描写を細かく丁寧にしている。
雑誌/3P
雑誌/2P   
  FC/7P
FC/6P  
3P
2P
 
雑誌2P
のママ
雑誌/5P
雑誌/4P   
  FC/9P
FC/8P  
5P
■夜が明けて小さな兄妹がポーの村で暮らし始める。

→FC/8〜11P
4Pを二つに分けて、シーン描写を細かく丁寧に加筆。

 

雑誌3P
のママ
 
  
  FC/11P
FC/10P  
なし

 

雑誌5P
のママ
雑誌/7P
雑誌/6P   
  FC/13P
FC/12P  
【タイトル扉】
7P
【タイトル扉】
6P
■小さな兄妹が光の中で抱き合うタイトルページ。

→FC/12〜13P
加筆なし

 

【タイトル扉】
雑誌7P
のママ
【タイトル扉】
雑誌6P
のママ
 
   
  FC/15P
FC/14P  
なし
■エドガーは村の人々のバンパネラ退治を覗き見する。おいてけぼりのメリーベルとの対比が際だつエピソードが挿入された。

→FC/14〜17P
加筆

75年時の絵柄に注意して見てほしい。

 

加筆
加筆
  FC/17P
FC/16P  
なし
加筆
加筆
雑誌/9P
雑誌/8P   
  FC/19P
FC/18P  
9P
8P
■エドガーと村の少年たちの日常に、美しい女性シーラを伴ったポーツネル男爵がやってくる。

←雑誌


FC/18〜24P
加筆ほとんどなし(シーラのドレスをベタ塗り)

 

雑誌9P
のママ
雑誌8P
のママ
雑誌/9P
雑誌/8P   
FC/21P
FC/20P  
11P
10P
雑誌11P
●シーラの服を
加筆
雑誌10P
●シーラの服を
加筆
雑誌/11P
雑誌/10P   
FC/23P
FC/22P  
13P
12P
雑誌13P
のママ
雑誌12P
●シーラの服を
加筆
※この7ページ分はシーラのドレスがベタ塗りされている他は加筆がないと思われるので、73年当時の萩尾の筆致や画面構成の手法を知る最もよいテキストである。
雑誌/15P
雑誌/14P   
  FC/25P
FC/24P  
14P
エドガーは男爵からシーラとのなれそめを聞く。

→FC/25P
加筆
75年時の萩尾の絵柄やスタイルに注意して見てほしい。大胆な派手やかな構図と装飾性がある。
雑誌14P
のママ
 
  
  FC/27P
FC/26P  
なし
墓堀りのビルおやじの家。

→FC/27P
加筆
風景描写を追加
加筆
雑誌/17P
雑誌/16P   
  FC/29P
FC/28P  
17P
16P
■エドガーとメリーベルの夜と、集会の導入。

→FC/28〜29P
加筆
トーン処理を追加。
雑誌17P
のママ
雑誌16P
●トーン処理を
加筆
雑誌/19P
雑誌/18P   
  FC/31P
FC/30P  
19P
■シーラの儀式の様子を覗き見するエドガー。

→FC/30〜32P
シーンを大幅に追加。
雑誌ではこの3ページが1ページにまとめられていた(←18P)。単行本では大幅に心理描写などを追加している。雑誌掲載時は、非常に苦心してコマを細かく割り、エピソードを入れ込んでいる印象がある。

■覗き見が見つかり、森へ逃げるエドガー。“メリーベルをお空にほうりあげるよ”〜老ハンナとの契約まで。

FC/33〜39P)
加筆部分ほとんどなし(37Pの広告部分のみさしかえ)

73年当時の萩尾の筆致や画面構成の手法を知る最もよいテキストである。

  FC/33P
FC/32P  
 
雑誌19P
のママ
雑誌/21P
雑誌/20P   
FC/35P
FC/34P  
21P
20P
雑誌21P
のママ
雑誌20P
のママ
雑誌/23P
雑誌/22P   
FC/37P
FC/36P  
22P
雑誌22P
のママ
雑誌/25P
雑誌/24P   
  FC/39P
FC/38P  
25P
24P
 
雑誌25P
のママ
雑誌24P
のママ
雑誌/27P
雑誌/26P   
  FC/41P
FC/40P  
27P
■老ハンナと約束の後、地下墓地へ案内されるエドガー。

→FC/40〜41P
加筆
はシーンを丁寧に追加描写。雑誌掲載時1ページを2ページに追補。
雑誌/29P
雑誌/28P   
  FC/43P
FC/42P  
29P
28P
■大老ポーと一族の説明、翌朝のエドガーの目覚めのシーン。

→FC/42〜44P
加筆部分なし

73年当時の萩尾の筆致や画面構成の手法を知る最もよいテキストである。
雑誌28P
のママ
雑誌27P
のママ
雑誌/31P
雑誌/30P   
  FC/45P
FC/44P  
31P
■エドガーの昨夜の記憶と、メリーベルへの想い。

→FC/45〜46P)
加筆はシーンを丁寧に追加描写。雑誌掲載時1ページだが、2ページに追補。
雑誌29P
のママ
      FC/47P
FC/46P  
■メリーベルとの別れのシーン。

→FC/47P
加筆部分なし
雑誌31P
のママ

 

研究担当:卯月もよ、小西優里 / 作成日:2000/4/3 / 補足修正:2004/4/29


別ページで初出の「メリーベルと銀のばら」に関しての対談をアップしています。
ぜひご覧ください。

File No. 3-3 研究テーマ
【メリーベル加筆比較】問題をめぐって
―卯月VS小西・3年越しのメリーベル熱愛対談 part1―

●萩研のtopへ●