1947年栃木県生まれ。代表作:「ミモザ館でつかまえて」「綿の国星」「秋日子かく語りき」「ロストハウス」他多数。現在は角川書店PR誌『本の旅人』にて「グーグーだって猫である」を毎月連載中。同作は2007年5月に3巻(角川書店)発売。2001年4月号〜2003年9月号までが収録された。《花の24年組》の主要な作家とされている。 [White-Field]
『別冊少女コミック』1973年3月号(小学館)
両親を亡くし、名を伏せたスポンサーの支援を受けている森島みのるは学術優秀な高校1年生。みのるは美しい上級生のビナスに恋心を抱いている。しかし学園では、ビナスと双璧といわれた美しい女生徒が、湖で命を絶つ事件が起こる。自殺、それとも他殺…? ビナスは欧外先生をめぐるトラブルでライバルを殺したのではないかと警察に疑われていた。 memo:ラストにいたるまで押さえた表現で描かれたさまざまな思いが、発表当時も話題となった。
『週刊マーガレット』1973年20号(集英社)
えまは4人きょうだいの末っ子。両親はいないけれど二人の姉と姉のような兄・草(そう)に守られて世間知らずな夢見る15歳。月に一度手紙をくれるPさまを心の恋人と決めていた。草と同じ高校に入学したえまはバスケ部の素敵なコーチをPさまと思い込んで舞い上がる。
『別冊少女コミック』1974年1月号〜3月号(小学館)
貧しい法科学生のロジオンは、自己の思想を実現するために高利貸しの老婆を計画的に殺害するが、偶然部屋に戻ってきた老婆の妹も手にかけてしまう。困惑、苦悩するロジオンを判事ポルフィーリィは容疑者と確信し彼を追い詰める。しかし、彼の心を徐々に変えたのは貧困から娼婦に身を落としながらも清らかな魂を持ったソーニャだった。
memo:ロシアの文豪ドフトエフスキーの「罪と罰」を70年代中期の大島が独自の解釈も加え、瑞々しく描いた。初出時のタイトルは「罪と罰」。
『週刊マーガレット』1974年10号(集英社)
名門進学高校に通う羽生望は成績不振、親代わりの姉には図書館で勉強しているといつわり喫茶店でバイトをしている。好きな無線機を買うために寄付金を使い込んでしまったからだ。姉の幸せな結婚のために最優秀であるべしと誓いをたてたのに…そこへ男言葉を使う不思議な少女が現れて、翌日の試験のヤマを強引に教えようとする。
『別冊少女コミック』1974年7月号(小学館)
第二次世界大戦直前のアメリカ。アレクサンダーは幼い頃両親と死別し教師のフランクリンに引き取られ、同い年の娘ヒルデガードと共に育った。ある日、唐突にヒルダの態度が変わり、不可解な行動をとるようになる。戸惑うアレクサンダーの前に風変わりな紳士が現れ何かと彼につきまとう。彼と接するうちヒルダへの愛にアレクサンダーは気づくのだった 。